『ビジネスアイデア創出・プラン作成セミナー』を開催しました!(H24.8.20)
〜グループディスカッションによるアイデア創出・ブラッシュアップ〜
コラボレーションセンターでは,平成24年8月20日(月),広島経済大学の立町キャンパスで,『ビジネスアイデア創出・プラン作成セミナー』を開催しました。
本セミナーは,昨年8月に開催した『キャンパスベンチャーグランプリ(CVG)中国10周年記念シンポジウム』のトークセッションにおいて,「学生が多様な考え方を学べる場・機会を提供する仕組みが重要であり,その実現のためには大学間の緩やかなネットワークを構築していく必要がある」との合意が得られたことを受け,今年度からの新たな取組みとして,広島地区を中心に試行的に開催したものです。
今回は,異なる大学の学生同士でグループを編成し,定められたテーマに基づいてディスカッションを行うことによって新しいビジネスアイデアの創出・プラン作成(ブラッシュアップ)に挑戦する内容のカリキュラムとし,10の大学(※1)から合計30名の学生さんにご参加いただきました。
(※1)広島大学,県立広島大学,安田女子大学,近畿大学工学部,広島経済大学,比治山大学,
広島修道大学,広島市立大学,広島工業大学,岡山大学(ベンチャー研究会)
なお,ディスカッションのテーマについては,「@ICTを活用した新サービス」と「A地域の課題解決・活性化」の2つの選択肢を用意し,学生さんに申込みの時点でどちらのテーマで参加したいか,またその中でも特に関心のあるキーワードは何かを聞き取って,その内容と大学,学部・学科,学年等がなるべく混在するようにグループを編成した結果,テーマ@が6人×2チーム,テーマAが6人×3チームという構成になりました。
◆オリエンテーション&レクチャー(10:30〜11:30)
まず最初に,講師を代表して広島大学の三枝先生から,開会挨拶の中で参加者への動機付け等を行っていただいた後,事務局から,その後のアイデア創出のヒントとなるように,昨年度のCVG地方大会を勝ち抜いて全国大会に進出したプランの中からテーマ@とAに該当するものを4件ずつピックアップし,先進的な事例として紹介しました。
続いて,県立広島大学の粟島先生に,ビジネスアイデア創出・プラン作成のポイントとして,BS法/KJ法(※2)のルール・進め方や,グループディスカッション・プレゼンテーションの際の留意点等について,レクチャーしていただきました。
(※2)ブレーンストーミング(BS)等でカード化された多くの意見・アイデアをグループ化し,論理的に
整理して問題解決の道筋を明らかにしていく手法
◆グループディスカッション(11:30〜15:30)
グループディスカッションは,前/後半に分けて実施し,前半は,BS法/KJ法等を活用しながらそれぞれのテーマに沿って各自が自由にアイデアを出し合い,チームとしての方向性(目指すべきビジネスプランの概要)をまとめる時間としました。その後,各チームからそれぞれ2〜3分ずつ簡単に進捗状況等を紹介し合う中間報告の時間を設け,その際の質疑応答や講師からのアドバイスを踏まえて,後半のディスカッションで最終的なブラッシュアップを行い,プレゼンテーションの準備を行うという流れです。
なお,各チームには,それぞれ担当の講師の先生方にも専任アドバイザーとして1人ずつ加わっていただきました。先生方には予めなるべく口は出さず,必要に応じてアドバイスするようお願いしていましたので,実際に議論が盛り上がるか多少の不安はありましたが,そんな事務局の勝手な心配はよそに,どのチームも学生さんが主体となって熱気溢れる積極的なディスカッションや,時に和やかな雰囲気での交流も行われており,大変頼もしい限りでした。
◆プレゼンテーション(15:30〜17:00)
最後に,各チームが作成したビジネスプランの概要について,それぞれ10分以内でプレゼンテーションしていただき,質疑応答・意見交換を行いました。プランの概要は,今後の展開(ビジネスコンテストへの応募等)も考慮してここでは詳しくご紹介できませんが,テーマ@(ICTを活用した新サービス)の2チームからは,バーチャルの世界で趣味を疑似体験できるアプリケーション,商品の効果的な広告ツールが提案されました。また,テーマA(地域の課題解決・活性化)の3チームからは,いずれも高齢者の日常または施設内での生活を支援する様々なサービスがそれぞれ提案されました。
そして講師の先生方による厳正なる審査の結果,「高齢者と遠方で暮らす家族とのコミュニケーションを円滑化するサービス」を提案したチームが最優秀賞に選ばれ,三枝先生から記念の賞品が授与されました。また,審査時間を利用して,遠方からご参加いただいた「岡山大学ベンチャー研究会(OUVL)」の学生さんから,OUVLの概要・活動状況について紹介していただきました。
今回のセミナーは事前に十分な準備期間もなく,当日初めて顔を合わせたメンバーでビジネスプランを作成するという非常にタイトなスケジュールでしたので,いずれのプランも,特に収益性などビジネスモデルの面でまだまだ工夫・改善する必要はありますが,ICTを効果的に活用した魅力的なサービスや,高齢化社会の進展に対する問題意識の高い提案内容など,アイデア自体には素晴らしいものが多く,今後の更なるブラッシュアップに期待したいと思います。
セミナー終了後に実施したアンケートの集計結果を見る限り,多くの学生さんから,「貴重な経験ができて有意義だった」,「他大学の学生と交流ができて大変刺激になった」等の感想をいただき,学生同士の交流により大学間ネットワーク構築のきっかけ作りをするという当初の目標は達成でき,また,人材育成という面でもある程度の成果があったのではないかと考えております。
コラボレーションセンターとしましては,今回の試行結果を参考にしつつ,ディスカッションのテーマをより具体的に設定する,レクチャー・事例紹介・テーマ設定と実際のディスカッション・プレゼンテーションを別の日に実施して十分な準備・検討時間を確保するなど,更なる内容の充実に努めていきたい思います。
(中国経済連合会 桑原)